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導入事例

トヨタ自動車株式会社 コーポレートIT部

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Gurobi Optimizer

トヨタ自動車株式会社 コーポレートIT部
環境規制への対応

環境規制への対応

自動車会社が最大限の利益を得るためには、できるだけ利益率が高い車種を数多く生産し、その販売を強化する戦略を立てることが必要です。
しかし、世界各国には自動車の環境影響に対する厳しい規制があり、違反した場合、罰金や販売停止等のペナルティを課されるため規制順守は必須です。
自動車会社は、利益率が高い車種だけでなく各国の環境規制に対応した燃費が良い車種の生産や販売も含めた計画を立てる必要があります。
このように環境規制に適合しつつ利益を最大化するようにタイムリーかつスピーディーに計画を策定することが、自動車会社には日常的な経営課題として求められています。

環境規制と一言で言っても、その種類や基準は各地域/国により様々な種類があります。また、一つの国の中でも規制官庁の異なる複数の規制、例えば、燃費規制と排ガス規制が併存することも一般的です。
これら規制は、年々その基準が厳しく改定されていく傾向にあります。つまり、多くの国々において環境により優しい自動車への需要が高まってきています。

環境により優しい自動車への需要

Gurobi Optimizer 採用の背景

環境規制対応のシミュレーションを行う場合には、常に最新の規制状況を考慮した上で、これら作業を行う必要があります。
トヨタ自動車では、世界中の環境規制対応の各担当者が担当する国、地域の規制を確認しながら、EXCEL ベースで何度も繰り返しシミュレーションを行っていたため、これらの作業完了までに膨大な時間が必要でした。
人の手で環境規制をギリギリのところでクリアしながらどの車種を何台生産すれば良いかを、各地域/国向けに何度も何度も繰り返しシミュレーションするのは、非常に労力を伴う作業です。

自動車会社においては、一般的には大型・高価格のクルマ、例えば、トヨタ自動車で言うとランドクルーザーやクラウンを生産して販売した方がより多くの利益を得られます。
ハイブリッドカーのプリウスを1000 台、レクサスLSを200 台、ランドクルーザーを50台生産すれば、米国のCAFE(企業別平均燃費基準)規制をクリア出来るのか?また、その際に、年間を通じてどのくらいの利益を確保が出るかという計算をしなくてはいけません。それは、膨大な組み合わせの中から様々な制約条件を満たしかつ収益が最大になる組み合わせの解を見つけ出すことです。
私どもは、その明確な目的を実現するため、環境規制をギリギリのところでクリアして収益を最大化する商品ミックスの問題を解くためのテクノロジーとして、数理最適化技術の適用を決定しました。
このテクノロジーにより膨大な作業時間が圧縮され更により良い解が見つかると確信を持ったので、最高速のパフォーマンスを誇る数理最適化ソルバーであるGurobi Optimizer を採用しました。

Gurobi Optimizer を採用した「AKARI 環境規制モジュール」は、各地域/国での規制に対応しているため迅速なシミュレーションが可能になっています。同時に、その結果を「AKARI 収益計画モジュール」に渡し、例えば次年度はどれだけの利益を出すことができる等といったシミュレーションも併せて対応が可能です。
人が台数と商品ミックスを起点として収益がどうなるかシミュレーションするということは、非常に大変な労力を伴う作業でしたが、今ではこうした複雑かつ膨大な計算を誰もが自動的に、より速く行うことができるようになっています。

Gurobiを採用した収益戦略システム群AKARI

私どもトヨタ自動車コーポレートIT部では、「収益戦略システム群AKARI(Advanced Knowledge And Real time Intelligence)」プロジェクトを立ち上げ、収益戦略のための仕組み作りを多数手がけています。
その第1 弾が「収益計画モジュール」の開発であり、このシステムでカンパニーの中期収益計画を策定しています。そして、第2 弾として、Gurobi Optimizer を採用した「環境規制モジュール」を開発しました。
「経営ダッシュボードTOBIRA(Toyota Business Insights for Rapid Action)」は、トヨタ自動車の経営層が様々な経営判断や意思決定を迅速に、的確に行えるよう支援すべき、経営層が必要な時に必要な情報を提供できるシステムです。
AKARI は、AKARI を構成する各モジュールから自動的に計算して、TOBIRA に経営判断や意思決定に必要な情報を適時提供しています。AKARI プロジェクトでは、「収益計画モジュール」と「環境規制モジュール」が現在稼働しています。
その他のモジュールは現在順次開発中で、2020 年度内に3つのモジュールが追加されて立ち上がる予定です。

計画管理システム これまでの開発状況

Gurobi 導入後のメリット

Gurobiを採用する前までの環境規制対応と収益最大化を両立した販売計画立案業務は、大変手間のかかる業務であり、担当者が自分の経験と直感をもとに数日をかけてミュレーションをする必要がありました。
「このようなシナリオではどうなるか」を確認するため再シミュレーションをしようとすれば、同じだけの時間をかけてやり直さねばなりませんでした。
Gurobi採用後、1回のシミュレーションの計算時間は劇的に改善され、わずか数分で計算ができるよういなっています。計算時間が速いことはとても良いことですが、それよりも更に重要なことは、人が行うより確実により良い答えを自動的に出してくれるこのシステムの機能です。
トヨタ自動車の今後の展開は、AKARIの開発計画、商品計画などのモジュールを2020年度中に完成することを目標としています。他のモジュールへのGurobiの採用は現在検討中であり、AKARIの全体のモジュールの関連付けを模索する際に、何が最適な解なのかを探っていければという高い期待の下、トヨタ自動車は、Gur obi の更なる活用を引き続き前向きに検討をしていくことになるでしょう。

手作業で行っていた作業をベースとした意思決定を迅速化し、意思決定の精度の向上をさせるためには数理最適化技術は重要であり、これにより、意思決定の半自動化、全自動化は、確実に可能であると考えているトヨタ自動車は、Gurobiに大きな期待を持っています。

古津  大輔 氏


トヨタ自動車株式会社 コーポレートIT部
プロジェクト推進室
主幹 古津 大輔 氏

トヨタ自動車株式会社に入社後、経理本部にご配属となり、2014 年まで20 年を超える期間の大半を原価・収益管理業務に従事し、うち2004 年から3 年間は、同社海外拠点であるポーランドのエンジン・トランスミッション製造事業体に経理の IS マネージャーとして出向。
2015 年1 月からは、今までの経験とは異なるコーポレートIT 部に異動し、ユーザ部門であるCV(商用車)カンパニーの収益管理部署を兼任しながら、トヨタの収益戦略をビジネスとIT のハイブリッドで推進される業務に従事されています。

トヨタ自動車のWeb サイト:
https://global.toyota/jp/

本システムのモデリングおよびプログラミング開発は、株式会社野村総合研究所の技術支援を受け実施されました。

トヨタ自動車株式会社 コーポレートIT部
トヨタ自動車株式会社( TOYOTA MOTOR CORPORATION)は、1937年に設立され、2019年の販売台数は、1, 074万2 ,122 台で世界第2位の販売実績を持っています。 安全・高品質で環境のことを考えた、人々に愛される「もっといいクルマづくり」を目指し、FCV(水素燃料電池自動車)など先進技術開発に取り組んでいます。 また「いい町、いい社会づくり」の観点からコネクティッドカーを活用した移動や物販、物流など新たなモビリティサービスの創出に向けても挑戦しています。 トヨタ自動車では、情報システムに関係する部署として、ITマネジメント部、コーポレートIT部、IT先行開発部、情報セキュリティ推進室があります。 このうち、コーポレートIT部は、販売、生産・物流、品質、経理・人事、経営におよぶ幅広い領域の各種情報システムの企画/開発を担っており、グループ会社であるトヨタシステムズと一体で活動しています。

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